スーパー淋病は治らない！？抗生物質耐性菌が出現

淋病の治療が出来なくなるとイギリスで警告がありました。
淋病とは咽頭や性器などに淋菌が感染する病気です。
一般の方は淋病というと性病のイメージが強いと思います。
現段階では薬による治療で治るのでAIDSほど恐れられてはいない病気です。
では淋病が治療出来なくなるというのはどういうことなのでしょうか？？

スーパー淋病には抗生物質が効かない！？

イギリスでスーパー淋病と呼ばれる淋菌の報告がありました。

淋病の治療にはアジスロマイシンとセフトリアキソンという2つの抗生物質を一緒に用います。
しかしスーパー淋病の淋菌はこの薬に対して耐性を獲得しているのです。
つまりアジスロマイシンとセフトリアキソンが効かないのです。

抗生物質とは抗菌薬のことで、一口に抗生物質といってもいろんな種類の抗菌薬があります。
どの抗菌薬もすべての病菌に効くなんてことはなく、
抗菌薬それぞれにやっつけることの出来る菌と出来ない菌があります。
（もちろんたくさんの菌に効く抗菌薬もあります。）
そして淋菌をやっつけることのできる抗菌薬がアジスロマイシンとセフトリアキソンなのです。
先ほども説明した通り、抗菌薬それぞれに得意とする菌と苦手とする菌があるので、
スーパー淋菌でアジスロマシンとセフトリアキソンの抗生物質が効かなくなったから
他の抗生物質を使えばいいやというわけにはいかないのです。

どうして2つの抗生物質を併用するのか

アジスロマイシンとセフトリアキソン２つ同時に使わなければ効果は得られないのか？？
どちらか1つでは効かないのか？？
というと実はどちらか1つだけでも淋病は治ります。
しかし、1つしか使わずに治療してしまうと淋菌に薬の耐性を持たれやすくなります。
これが俗に言う耐性菌の出現です。
いくつかの薬を併用して用いると耐性菌が生じにくいことがわかっているので、
淋病の場合も2つの薬剤を同時に併用しているのです。

淋病の症状

今回は淋菌の性器感染の症状だけを説明します。
男性の場合は尿道で炎症が起こり、排尿時（おしっこするとき）に激痛が走ります。
女性の場合は、子宮頸管に炎症を起こし流産や不妊の原因になります。
もし無事出産できても母子感染の危険性があります。